みそさざいの囁き(浅木ノヱの季語のある暮し)

生活の中に詩を、俳句を。季語のある暮しを楽しみます

四日

大漁旗四日の富士を埋めけり ノヱ 

 1月4日は腰越漁港の船祝いです。雲一つなくはれ上がった空に、真っ白の富士山が聳えます。漁船には極彩色の大漁旗が飾られ、緩やかに揺れています。船出を待つひととき、漁によって黄金が返ってくるようにとの思いをこめて、見物人にみかんやお菓子が投げられます。

 見るだけのつもりで何も用意していなかったのですが、不思議です。みかんやお菓子が飛んでくると無意識に手が伸びます。「無理してキャッチするより、足元のものを拾ったほうが安全よ」と、ベテランのおばあさん。そこそこのお宝に戸惑っていると、きれいに畳んだスーパーの袋を出してくれました。