みそさざいの囁き(浅木ノヱの季語のある暮し)

生活の中に詩を、俳句を。季語のある暮しを楽しみます

新緑

切絵:小出蒐

新緑や風に梳かせる旅の髪 ノヱ

早朝の谷川に沿って歩く。鳥の声やせせらぎに耳を澄ませ、新樹のかおりを胸に満たすと、体中の細胞が息づいてくるのがわかる。新緑の風が髪を梳くように吹き抜けてゆく。前へ前へと確かな足取り、高く上がった太陽に谷若葉がまぶしい。