みそさざいの囁き(浅木ノヱの季語のある暮し)

生活の中に詩を、俳句を。季語のある暮しを楽しみます

花野忌

榛名山のふもとに広がる花野、紫色の花が松虫草

 9月1日は竹久夢二の忌日です。今秋発売される角川大歳時記で、初めて夢二忌の傍題に「花野忌」が加わりました。それは30年近くにわたり「夢二忌俳句大会」を推進してきた俳人・木暮陶句郎をはじめとする群馬県伊香保の方たちの活動の成果と言っても過言ではないでしょう。

 夢二画の女性は秋草の風情がただよい、「花野忌」という美しい呼称は、夢二忌にこそふさわしいように思われます。

 夢二はこよなくこの地を愛し、榛名湖畔にアトリエを建てました。また伊香保には竹久夢二記念館があり、その作品の収集保存だけでなく、大正ロマンの風情を十二分に楽しませてくれます。

 今回3年ぶりに榛名山のふもとに広がる花野に足を運びました。以前より芒が増えているように思いましたが、木道の中ほどまでゆくと薄紫の松虫草イワシャジン、萩や吾亦紅などがしずかに、さみしく群れ咲いていました。