みそさざいの囁き(浅木ノヱの季語のある暮し)

生活の中に詩を、俳句を。季語のある暮しを楽しみます

風船葛

 

わが家の竹垣に揺れる

 昨日は、鎌倉句会で指導いただいている三上程子先生の朗読会に行ってきました。読物は太宰治の『饗応夫人』。三上先生のやや甲高く、細く艶めいた声が、「泣くように笑う女」の奥様を熱演され、他人に翻弄されながら落ちぶれてゆく女性の崇高なまでの美しさ、太宰の美学にとっぷりつかってきました。

 散歩の途中で「ご自由にお持ちください」と書かれた風船葛の苗をいただいてきたのが去年。植木鉢に植えたらまあよく育ち、今年は種から育て、さらに零れ種からか庭のあちこちから芽が出て、気が付いたら風船葛の家になっています。緑色の実は、日に透けると金色となり、音もなく風に揺れ、まるで風を遊ばせているようです。