みそさざいの囁き(浅木ノヱの季語のある暮し)

生活の中に詩を、俳句を。季語のある暮しを楽しみます

筆供養

荏柄天神社

筆供養

 1月25日は初天神、三大天神のひとつである鎌倉・荏柄天神社では筆供養が行われます。例年なら先駆けの紅梅の満開の下に開催されるのですが、今年の梅はまだちらほら咲き。まして10年ぶりの寒波襲来ということで、人出もそれほどではありませんでした。
 お孫さんの合格祈願なのか「三大天神踏破」を語るご年配の方、カメラ愛好会らしき方たちの元気あふれる中、長く・静かに合掌をする人たちに、高く、低く筆を焚く火の香が立ち込めます。時折、墨の香もまじるような気がしました。
 おみくじは「小吉」。丹念にはげめということでした。

 家に帰ると『象の耳』(嘴朋子)が届いていました。

 脱ぐやうに解く肩車梅日和 朋子

 この句集をぜひ読んでみたいと思わせた一句です。

 肩車したお子さんをそっと、空に差し上げるようにして下ろしたのでしょう。

幼児のやわらかで、まといつくような触感、軽くなった首筋を抜ける冷たい風に、梅の香りがしてきます。